【遊戯王DL】「局所的ハリケーン」の禁止について考える 前編

考察記事

皆さんこんにちは、ATMです。
今回は、つい先日、遊戯王デュエルリンクス公式から発表されたリミットについての考察を行っていきたいと思います。

とはいえ、新リミットの環境が始まってもうすぐ1週間になろうとしていますが、新リミットの中で環境に影響を与える可能性があるのはタイトルにも挙げられている「局所的ハリケーン」の禁止指定のみだと考えています。

そのため、今回はテーマを深堀りする意味合いも込めて、「局所的ハリケーン」の禁止に関する考察のみに絞って進めていきたいと思います。
それでは、参りましょう。

そもそも「局所的ハリケーン」とは?

この記事に足を運んでくださった方の95パーセント以上は存在を認識しているカードでしょうが、仮にこのカードを知らない方がいらっしゃった場合に備えて、ざっくりと解説を行います。

今回、デュエルリンクスで名誉ある(そして、非常に不名誉でもある3枚目の禁止カードに指定された「局所的ハリケーン」とは次のようなカードです。

【 通常魔法 】

①:フィールドにセットされている魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。

 

フィールドにセットされた魔法罠カードをすべて手札に戻すことができるため、1枚で罠デッキに壊滅的な被害を与えることができるカードです。

実装当時から、あらゆる形でワンキルを得意とするデッキに採用され、殺戮の限りを尽くしてきたカードであり、その強さから早々にリミット2に指定され、長らくその地位を守ってきたカードでもあります。

これは、個人的な感想に過ぎないのですが、デュエルリンクスにおけるリミット2制度は「局所的ハリケーン」もしくは「狡猾な落とし穴」のどちらかと特定カードを組み合わせえることでデッキが強くなりすぎてしまうのを防ぐために設けられている、と解釈しています。
それほどにこのカードが環境に与えていた影響は大きいといえます。

実際に「局所的ハリケーン」を扱えるかどうかだけで、デッキの評価自体が根本から変わるほどでもあります。
その観点で、新しく実装されたテーマの魅力とは、規制が入っていないことから、自由に「局所的ハリケーン」「狡猾な落とし穴」その他のリミット2カードを自由に選べる、という部分が大きいといえるほどです。

このように、シンプルさと豪快さを併せ持ち、ほとんどの時代で環境を定義してきた凄まじいパワーカードであるといえるでしょう。

各視点から見た「局所的ハリケーン」の評価

ここからは、各カジュアル層と競技層、それぞれの視点から「局所的ハリケーン」というカードがどういう風に捉えられていたのかを考察していきます。

まずは、カジュアル層の視点です

・プレイングの絡まないクソカード
・即刻禁止にするべき。

おそらくこういった意見が多いと思われます。
なにぶん、私は競技層の人間なので、カジュアル層の事情、思考とは相容れない部分もありますが、少なくともカジュアル層は「局所的ハリケーン」にある程度のヘイトを集めていたのではないかと考えています。

その一方で、「局所的ハリケーン」の禁止によって、「青眼」デッキの「因果切断」に歯止めが利かなくなるとのありがたい意見が散見されてもいました。
これに関しては、「青眼」というデッキ自体が、(競技シーンからは)既に退場しているTier4以下のデッキであるため、正直、特に問題ではないな、といったところです。

次に競技層の視点ですが

・プレイングの絡まないクソカードではあるが、構成でメタることが可能。
・禁止にするほどではない

といった評価に落ち着くと考えています。

特に、今期は局所的ハリケーンを構造でメタれるデッキが環境デッキに複数存在しており、競技層視点では、「プレイでケアができないものの、構造でメタができる」カードという認識でした。

具体的には「リゾネーター」「サンダードラゴン」「オノマト」のようなモンスターを主体としたデッキのほか、永続罠カードを妨害に据える「トラミッド」、その他、手札誘発に防御を託すデッキなども、「局所的ハリケーン」に構造的に耐性を持っているデッキといえます。

とはいえ、使われたときにムカつくから、禁止でも別に問題ない、といったところでしょう。
もちろん、「局所的ハリケーン」が禁止になったところで「青眼」が増えることはないと理解しているので、特にいうこともありません。
強いて挙げるなら、「サイバードラゴン」「罠不知火」といったデッキへのメタを少し考えなければいけないな、といったところです。

Tips

実は「罠不知火」も「堕ち武者」「クリボール」といったカードによって、罠デッキのわりには「局所的ハリケーン」に最低限の耐性を備えているデッキといえます。

そのため、このデッキのために「局所的ハリケーン」を使用するかというと、実はそうでもなく、「コズミック・サイクロン」の方がトータルでは有用なのではないかという考察があったりはします。
とはいえ、それも全てはデッキ次第です。

 

デュエルリンクスに限らず、サービスを支えているのは多くのカジュアル層です。
ならば、そのヘイトを鑑みれば禁止は妥当なのでしょうか?

「局所的ハリケーン」の禁止は妥当なのかどうか?

もったいぶらずに結論から言いますと、あまりにも妥当です。

1対多交換が行えるカードが実装されにくいデュエルリンクスにおいて、このカードはあまりにもシンプルに強すぎました。
1枚引くだけでゲーム性を破壊できる対面が存在し、「局所」デッキが環境にいる間はメタ外に追いやられてしまうデッキも少なくありません。

カジュアル層視点からヘイトを買いやすいカードでしょうし、競技層視点でもデッキ選択、構築を大幅に歪めるカードでした。
禁止カードを並べた中でも最強格であるのは間違いありません。

そのため、禁止指定もやむなしといったところでしょう。
しかし、次に2つの疑問が出てきます。

・「狡猾な落とし穴」はなぜ禁止にならなかったのか?

・なぜ、このタイミングで禁止にしたのか?

次はここを考えていきましょう。
私の中では、この2つの質問の答えは、実はある共通点でつながっていると考えています。

「狡猾な落とし穴」はなぜ許されたのか?

先ほどから話題に挙げている「狡猾な落とし穴」とは次のようなカードです。(念のため)

【 通常罠 】

フィールド上に存在するモンスター2体を破壊する。
自分の墓地に罠カードが存在する場合、このカードは発動できない。

1対2交換を成立させるパワーカードであり、今シーズンを象徴する「ミッドレンジパッケージ」の主役となったカードです。

Tips
「ミッドレンジパッケージ」

「月の書」2~3枚、「狡猾な落とし穴」2枚、「サイクロン」0~3枚といった汎用カードを詰め合わせたデッキ構築の基本部分となるパッケージのこと。

パッケージ内のカードが4枠~8枠程度と、大きく枠を食わないわりに、汎用的かつシンプルに高いカードパワーを備えており、環境中盤以降は多くのミッドレンジデッキがこのパッケージを用いて試合を行っていた。

代表的な使用デッキは、「ハーピィ」「リゾネーター」「鮫の領域」といったデッキ。
直近のオノマトも結局は似た構成になってきている。

そして、この「狡猾な落とし穴」というカード、「局所的ハリケーン」とは真逆の性質を持っているカードだと感じています。

というのも

・多少はプレイでケアが行える
・構造で対策することが非常に難しい

といった特徴があるからです。

「局所的ハリケーン」との大きな違いは「サイクロン」などで除去を行えば問題ない、大量展開を行わなければ一応のケアができる、という部分にあります。

しかし、前者に関しては、特定カードを引き込まなければ対策が不可能、後者は、余裕があるときしか対策が不可能、といった具合にとらえることができ、ある程度限られた条件でしかケアが効かない、ということが見て取れます。

このように、一応のケアが可能とはいえ、実際には非常にケアが難しいカードにも関わらず、直撃させればゲームをとれるほどのすさまじいパワーを秘めているため、今期の「狡猾な落とし穴」は「月の書」よりも優先して採用するべき、究極の入れ得、引き得カードであったといえるでしょう。

そのため、競技層視点では真っ先に禁止にしてほしいカードは「狡猾な落とし穴」だったのではないかと考えています。

では、この「狡猾な落とし穴」というカード、ここまで強力だというのに、なぜ、禁止にされなかったのでしょうか?
そして、「局所的ハリケーン」はなぜ、禁止されてしまったのでしょうか?

という、先ほどの2つの疑問に立ち返ることとなると思います。
ここからは、若干の邪推が入った考察となっていきますがどうぞお付き合いください。

「狡猾な落とし穴」が許された理由

私は、「狡猾な落とし穴」が今回見逃され、「局所的ハリケーン」が見逃されなかった理由は、KCGT本戦、つまり世界大会を見越してのことだと考察しています。

とはいえ、元々、今回のリミット自体が世界大会を見据えて設定されたものだというのは公然の秘密であるため、何を今さら、といったところでしょう。

つまり、もう一歩踏み込む必要があります。
「狡猾な落とし穴」にはあって、「局所的ハリケーン」が持ちえないものとはなんでしょうか?

私はこう考えます。

それは

 

 

 

画面「映え」です。

 

ここに関して話を進めていきたいと思います。

「局所的ハリケーン」と画面映え

「局所的ハリケーン」というカード、悲しいかな、全く「映え」ません
使う側にも、使われる側にも知性が介在しない究極の猿カードであるため、圧倒的に見栄えが悪いゲームを作り出してしまいます。

世界大会とは、カジュアルなプレイヤーも多く見に来る祭典です。
そんな試合の中で、配信卓で、3伏せに「局所的ハリケーン」がぶっ刺さってそのままワンキル、ぶおおおwww、なんて試合が流れてしまったらどうなるでしょうか?

それはもう、ヒエッヒエです。

解説の人もおそらく特に何も言えることがなく、「○○デッキのワンキル力ってすごいですね~」みたいなありきたりな会話しかできなくなるでしょう。
強いて言うなら、ワンキル側がちゃんと誘発ケアができるのか、くらいにしか見どころがなくなってしまうはずです。

カジュアルプレイヤーはその時点でYoutubeの別の動画に行ってしまいます
これでは誰も幸せになりません

こうなってしまうと完全に放送事故です。絶対に避けなければなりません。

こういった危険な要素を予め排除しておくために、「局所的ハリケーン」というカードは世界大会前に禁止になってしまったのだと思われます。

では、これ、「狡猾な落とし穴」はどうなのかといいますと、実際に対戦しているプレイヤーからは、「狡猾な落とし穴」があり、それがケア不可能と判断できた時点で相当ヒエッヒエになってしまうのですが、配信卓を見ている立場では、これが、わからないんですよね。

その結果、お互い、カードでの応酬を行った末に、「狡猾な落とし穴」が炸裂したように見えるため、わりとまともにゲームをしてる感が演出できるはずです。
実際は「局所的ハリケーン」以上に残酷な「詰み」を用意している状態だったとしても、見た目上、はそこまで悪くなりません。

もちろん、「サイクロン」が「狡猾な落とし穴」を射抜くだけでも、盛り上がりポイントです。
なんていいカードなんだ。頼むから消えてくれ。

「狡猾な落とし穴」が持つ戦略性

また、「映え」以外に戦略的な面も「狡猾な落とし穴」の見逃しに後押しを与えます。
KCGTの決勝トーナメントは、例年通りならば、1つのカードプールを共有して、3つのデッキを持ち込み戦うBO5形式です。
1つのデッキに3枚使ったカードは、他のデッキでは使用することができません。

つまり、今シーズンを定義している「ミッドレンジパッケージ」を全力で採用できるデッキは最大でも1つであり、シングル戦では入れ得の部類である「狡猾な落とし穴」も必然的に配分を調整せざるをえません。

こうなると、「狡猾な落とし穴」をどのデッキに採用するのか、他のデッキにはどのようなプランを選択するのか、といった風に新しい見どころが生まれるわけです。

こういった面白さは、「局所的ハリケーン」では作り出せない面白さだと考えており、世界大会での「画面映え」を意識するならば、「狡猾な落とし穴」は許容されるカードである、と判断できるように思えています

まとめ

ここまで、「局所的ハリケーン」が禁止になった表の理由裏の理由を考察してきました。

特に裏の理由に関しては邪推の域を出ない妄想に近い考察ですが、当たらずとも遠からず、といったところではないでしょうか。

元々、「局所的ハリケーン」については追加の考察を用意していたのですが、あまり長いと読者の皆様が疲れてしまうと考えたので、いったんここで切り上げ、続きは後編に持ち越していきたいと考えています。

面白かったら、宣伝、拡散をよろしくお願いします。

それでは、みなさん、またお会いしましょう。

【遊戯王DL】「局所的ハリケーン」の禁止について考える 後編

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